こんばんは、スタッフのUです。
3月28日、ミャンマーでマグニチュード7.7の地震がありました(リンク先のニュース記事は発災日の28日のものです)。
ミャンマーで地震 144人死亡732人けが タイでも死傷者【28日】 | NHK
心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く平穏な生活に戻られますことををお祈り申し上げます。
さて、本日はこのマグニチュードの話です。
マグニチュードとよく混同されるものとして「震度」がありますが、「マグニチュード」は地震そのものの大きさ(規模)を表しているのに対し「震度」はある場所での地震による揺れの強さを表しています。ですので、一つの地震に対して「マグニチュード」は一つですが、「震度」は場所によって異なる数値をとります。また「マグニチュード」は物理学的に数式で計算されますが、「震度」は地表などに設置した震度計による観測値ですので地盤や地形などの影響を受けますし、同じ市町村でも場所によって震度が異なる場合もあります(これもよくある勘違いですが、日本の場合、「震度」は実際に起きた被害状況から導き出されるものではなく、震度計による計測結果です)。
ちなみにマグニチュード(M)と地震が持つエネルギー(E,単位は「J (ジュール)」)の関係式は以下のようになっています。
1.5 M = log 10 E - 4.8
log、つまりマグニチュードはエネルギーの自然対数(10を底とした対数)から求められるわけです。これを log を使わず指数を使って書き直すと以下のようになります。
E = 10 4.8 + 1.5 M
では、マグニチュードの大きさが2違うと(例えばマグニチュード7.0と9.0)地震のエネルギーの大きさとしてはどれだけ変わるかわかりますか?実は1000倍ものエネルギーの差となります。
例えばマグニチュード7.0の地震のエネルギーをE7.0、マグニチュード9.0の地震のエネルギーをE9.0とすると、先の計算式より、
E7.0 = 104.8 + 1.5 × 7.0 = 1015.3 … ①
E9.0 = 104.8 + 1.5 × 9.0 = 1018.3 = 103+15.3 = 103 × 1015.3 = 103 × E7.0 ( ①より ) = 1000 × E7.0
となり、ちょうど1000倍であることがわかりますね。では、マグニチュードが1違うと地震のエネルギーはどれだけ違うでしょうか?1000倍の半分の500倍ではありません。1000の正の平方根の約32倍の違いとなります。
高校時代に指数関数・対数関数を習ったときに「こんなもの一体どこで使うんだ?」と思われた方も多いのではないかと思いますが、自然現象の中には指数関数的な変化を見せるものがたくさんありますし、人間の感覚器での刺激の感じ方は対数関数的(刺激の強さの「差」で捉えるのでなく刺激の変化の「比」で捉える)です。この話はまたあらためて。
私たちが組んでいるプログラムの背景にも数学が潜んでいます。数学の強み、数式で捉えることの強みを常に意識しながら、より良いプログラムをこれからも作成していきたいと思います。
