フランスのお菓子の名前

こんばんは、スタッフのUです。

今日シュークリームを食べる機会があり、

そのときに思い出したことをきっかけにブログを書き始めてみます。

「シュークリーム」の「シュー(chou)」が、フランス語で「キャベツ」を意味する言葉だというのはご存知の方も多いかもしれません。

ふっくらと焼けた生地が小さなキャベツに似ているところから名付けられたのですね。

(ちなみに、「シュークリーム」というのは和製外来語で、

フランスでの呼び名は「chou à la crème ( シュー・ア・ラ・クレーム、「クリーム入りキャベツ」の意味 ) 」です)

あと「エクレア」がフランス語の「稲妻(éclair,エクレール)」を語源としていることも有名ですね。

こちらは名前の由来に諸説あるようで、

焼いた際に表面にできる割れ目が稲妻に似ているためという説、

表面にコーティングされたチョコレートが稲妻のように光るからという説、

稲妻が光るのと同じくらい一瞬で食べられてしまうからという説、などなど。

他に有名なところでいえば、

「ミルフィーユ」は「mille-feuille(「千の葉」の意味)」。形のイメージですね。

「ラングドシャ」は「langue de chat (「猫の舌」の意味)」。これも形からのイメージですね。

他にも調べてみると、

「カヌレ」は、フランス語の「cannelé (「溝のついた」の意味 )」が語源で、

その名のとおり溝のついた容器で焼き上げるところからきています。

(ちなみにこちらもフランス語での正式名称は「cannelé de Bordeaux ( カヌレ・ド・ボルドー ) 」です)。

もう一つ面白いのは「フィナンシェ」

こちらは「財界人」や「金持ち」を意味するフランス語の「financier」が語源です。

17世紀ごろからあったフランスの焼き菓子が、

19世紀パリの金融街で「金塊」の形に似ていることから縁起物として好まれるようになったという説、

またその金融マンが忙しい際にも背広を汚さずに食べることができるので重宝されたという説などあるようです。

語源を知るというのはなかなか楽しいものですね。

なんだか春のような気候が続きますね。

風邪の季節が過ぎれば花粉症の季節。

スギ花粉も飛び始めていますので、花粉症の方は万全の準備をなさってください。

鼻行類

こんばんは、スタッフのUです。

みなさんは「鼻行類」という動物をご存知でしょうか?

ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類 新しく発見された哺乳類の構造と生活』日高敏隆・羽田節子: 訳 (平凡社ライブラリー)

という本で世界に紹介された、かつて存在していたという「鼻で歩く哺乳類」です。

原著の正式な題名は「Bau und Leben der Rhinogradentia」(「鼻行類の構造と生活」(1961)。1942年にスウェーデン人の探検家エイナール・ペテルスン=シェムトクヴィスト (Einar Pettersson-Skämtkvist)によって発見された鼻行類について、ハラルト・シュテュンプケ(Harald Stümpke)が研究した調査報告書を、シュテュンプケの友人で、ドイツの動物学者であるゲロルフ・シュタイナー(Gerolf Steiner)がまとめたもので、日本語訳は日本の動物行動学の第一人者・日高敏隆が担当しています。

鼻行類(学名: Rhinogradentia、標準和名: ハナアルキ)は、鼻行目(Rhinogradentia)に分類される、哺乳類のいち分類群(タクソン)で、かつて南太平洋のハイアイアイ群島に生息していましたが、1957年に行われた核実験の影響によりハイアイアイ群島は水没してしまったため、その際に鼻行類も絶滅したといわれています。

ハイアイアイ群島は、ニュージーランドにも引けを取らないほどの多くの固有種が見られることから、遅くとも白亜紀後期には大陸から分離した島と推測され、多様な生き物が独自の進化を遂げており、鼻行類はモグラやハリネズミの系統から分化・進化してきたものと考えられています。

以下で触れるように、鼻行類は、単一の祖先から、それぞれの環境に適応した多様な子孫が現れ(これを「適応放散」といいます。有名なのは、チャールズ・ダーウィンが進化論の着想を得たガラパゴス諸島のダーウィン・フィンチの例ですね)、『鼻行類』にはその例が豊富に挙げられています。

鼻行類は、鼻を歩行や捕食などに使用していたといわれています。滑って転倒するのを防ぐために鼻で体を支えたのがこの特殊な進化の原因だとする説と、ゴキブリなどの昆虫(これもハイアイアイ群島で独自の進化を遂げたもの)を捕食するために地面に顔をこすりつけていたことが原因だとする説があるそうです。

全14科189種からなるこの鼻行類のいくつかを紹介すると、

ナメクジハナアルキ属: 鼻から分泌した粘液でナメクジのように移動する。

モグラハナアルキ属: 鼻で地面に穴を掘り、土の中で生活する。

ハナススリハナアルキ属: 粘着性の高い鼻水を垂らし、それで魚などを捕まえる。大きさはハツカネズミほど。長い尻尾には毒腺がある。

ハラワタハナアルキ属: 肺が消失するなど著しく退化しており、鼻の付け根から分裂し増殖すると考えられている。

コビトハナアルキ属: ハラワタハナアルキ属よりもさらに退化。身長は約2mm。コビトハナアルキの発見により、プラナリアなどは鼻行類を祖先とするという説が生まれた。

トビハナアルキ属: くの字に曲がった鼻をバネにして、後ろ向きに跳びはねながら移動する。

ダンボハナアルキ属: 巨大に発達した耳で空を飛ぶことができる。

ナゾベーム属: 四本に分かれた鼻を使って歩く。尻尾にガスを充満させることで尻尾を4m以上伸ばし、高いところにある果実を食べる。他の生物に捕らえられると目から涙を流す。

オニハナアルキ属: ナゾベームを捕らえて食べる。

ハナモドキ属: 巨大な尻尾で直立し、花に擬態した鼻で昆虫を集め捕える。

マンモスハナアルキ: 身長は最大で1.3m。発達した四本の鼻で歩き、二本の鼻で植物を引き抜いて食べる。

ナキハナムカデ: 19対の鼻があり、そのうち18対の鼻で音楽を奏でる。

とても興味深い動物ですね!

この本の翻訳が出てから、翻訳者である日高のもとには「『鼻行類』に関してもっと詳しく知りたいが、他に関連論文が見当たらない。君は他の論文を持っていないのか?あるなら読ませてくれ」といった旨の問い合わせが相次いだそうですが、それに対する日高の返答は

「そんなものあるわけないだろ。あれはフィクションだ。」

著書『鼻行類』には、ハイアイアイ群島に暮らす人々の文化や鼻行類研究の歴史なども描かれており、巻末には動物名・人名の索引もあり、参考文献の一覧も充実、鼻行類の系統樹について様々な異論も併記されており、鼻行類の細密画についても、他論文からの引用に起因する違ったタッチの図が混在するなど、論文らしいリアリティに満ち満ちていたため、多くの人があえなく騙されてしまった、というわけです。この日高の返答に何人かの人は激怒し、何人かの人は呆れ果てたとか(それを後年、エピソードとして高笑いしながら語る日高の姿を見かけたことがあります)。

フランスの哲学の世界ではかつて「ソーカル事件」などというものもありましたが、それなりのフォーマットさえ整えていれば人なんて簡単に騙されてしまうものなんですね(ちなみに、ゲロルフ・シュタイナー日高敏隆は実在の人物です。つまり『鼻行類』は、実在の動物学者ゲロルフ・シュタイナーが、ハラルト・シュテュンプケという偽名を用いて、エイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストという架空の探検家がハイアイアイ群島という架空の島で発見した「鼻行類」という架空の生物について、動物学の知見を駆使しながら論文の体裁を装いつつ大真面目なフリをして書いたものを、実在の動物行動学者日高敏隆が大真面目なフリをして訳したものです)。

日高敏隆の言葉に次のようなものがあります。

何が科学的かということとは別に、まず、人間は論理が通れば正しいと考えるほどバカであるという、そのことを知っていることが大事だと思う。(日高敏隆『世界を、こんなふうに見てごらん』(集英社文庫))

なかなかに皮肉の効いた言葉ですが、フェイクニュースや陰謀論が跳梁跋扈する今の時代、しっかり心しておくべき言葉のような気がします。

先の引用のあと、日高はこう続けています。

そこをカバーするには、自分の中に複数の視点を持つこと、ひとつのことを違った目で見られることではないかと思う。(同)

日々の仕事の中でも、自分の思い込みに引っ張られてしまわないようにくれぐれも心がけていきたいと思います。

(ChatGPTに描いてもらった鼻行類のイメージ図)

恵方とは?

こんばんは、スタッフのUです。

前回の投稿で「恵方巻き」の話を書きました。

その年の「恵方」を向いて、寿司の太巻きを何も話さず黙々と食べ続けるあの風習です。

さて、そもそも「恵方」とは何でしょう?

今年の恵方は南南東でしたが、これまでに「今年の恵方は北東です」とか「今年の恵方は西です」というのは聞いたことがありません。恵方には一体いくつのパターンがあるのでしょうか?

陰陽道で、その年の福を司る「歳徳神(としとくじん、年神ともいわれます)」という神がいて、その神がいる方角のことを「恵方」といいます。その方角に向かって事をなせば良いほうに進む、ということです。

で、この恵方は全方角を24に区切る(つまり各方角の間隔が15度ずつ)「二十四山(にじゅうしざん)」のうちの四つだけです。

北を0°として、時計回りに角度を測っていくとすると、その4つの恵方は

甲(きのえ)…75°

丙(ひのえ)…165°

庚(かのえ)…255°

壬(みずのえ)…345°

で、90°ずつずれているのがわかります。

南北のラインと、東西のラインの直交する二つの線が15°ずつ左回りした状態です。

この恵方が、暦を表す十干(じっかん)と以下の表のように対応しているのです。

年(十干)西暦の下1桁恵方方角
甲(きのえ)4寅卯の間,甲の方位ほぼ東北東(2時半の方角)
乙(きのと)5申酉の間、庚の方位ほぼ西南西(8時半の方角)
丙(ひのえ)6巳午の間、丙の方位ほぼ南南東(5時半の方角)
丁(ひのと)7亥子の間、壬の方位ほぼ北北西(11時半の方角)
戊(つちのえ)8巳午の間、丙の方位ほぼ南南東(5時半の方角)
己(つちのと)9寅卯の間、甲の方位ほぼ東北東(2時半の方向
庚(かのえ)0申酉の間、庚の方位ほぼ西南西(8時半の方角)
辛(かのと)1巳午の間、丙の方位ほぼ南南東(5時半の方角)
壬(みずのえ)2亥子の間、壬の方位ほぼ北北西(11時半の方角)
癸(みずのと)3巳午の間、丙の方位ほぼ南南東(5時半の方角)

2026年は下1桁が「6」なので、十干では「丙の年」、よって恵方は「丙の方位」、ほぼ南南東ということになります。

暦を表す「甲」「乙」などの表記は「十干」ですが、

方位を表す「甲」「乙」などの表記は先に書いた「二十四山」というもので、

「十干」のうちの八つと、「十二支」と、「八卦」のうちの四つを合わせた二十四の要素で表すものですので、

混同しないようにしてください。

この表で、恵方を「ほぼ南南東」など「ほぼ」という言葉がついていることが気になる方もおられるかもしれません。

先ほどの「二十四山」式の方角表記で、それぞれの方角は

360÷24=15(°)

ごとに区切られることになりますが、

「東北東」や「南南東」などの方角表記の場合、全体は16にしか分割されず、それぞれの方角は

360÷16=22.5(°)

ごとに区切られることになり、「二十四山」式の方角表記の恵方とはピッタリ合致しないのですね。

冬至も超え、節分も超え、いよいよこれからは色々な活動が活性化してきます。

私たちも日々新たな気持ちでこれからの仕事に向かっていきたいと思います。

恵方巻き

こんばんは、スタッフのUです。

今日は節分ですね。

二年前にも書きましたが、節分というのは元々「各季節の始まりの日である立春・立夏・立秋・立冬の前日」のことなので本当は年に四回あるのですが、

いまは「節分」といえばこの立春の前の節分を指すことがほとんどになりました。

季節の行事をちゃんとする人も減ってきているかも知れませんが、

みなさんは節分の日に、以下のうちのどれか実施するものはありますか?

  1. 豆まき。
  2. 豆を年齢の数だけ食べる。
  3. 柊鰯(ひいらぎいわし)を玄関に飾る。
  4. 恵方巻きを食べる。

などなど。

地域によって色々な習慣がありますので、すべて挙げることは難しいですが、

地域の風習が近年になって全国的に広まったのが 4.の「恵方巻き」ですね。

「節分の夜に、恵方に向かって願い事を思い浮かべながら太巻きの寿司を丸かぶりし、

言葉を発せずに最後まで食べきると願い事がかなう」

という、起源不明(諸説あり)の関西の奇習を、

1990年代以降大手コンビニやスーパーが全国に広げていきました。

2017年には、作り過ぎた巻き寿司の大量廃棄が問題になったことも記憶に新しいところです。

しかしあの、恵方をじっと見つめながら太巻きを黙々と食べる姿は客観的に見ると異様なもので、

うちで昔飼っていたイヌは、飼い主二人のその異様な姿に不安になり、

私たちが太巻きを食べる間ずっと足元でワンワン!と吠えていたものでした

(それに対して「静かにしなさい。父ちゃん母ちゃんは大丈夫だから」と諭すこともできないので)。

私の願いは無病息災。

なぜかこの時期にじんましんや喘息の症状が出やすいので、なんとかしたいところです。

皆さんも呼吸器のケアなど万全にしてお過ごしくださいね。

そして未だに電車の中などで口に腕も当てずに咳やクシャミをしてる方、やめましょう。

冬来りなば春遠からじ

明けましておめでとうございます。スタッフのUです。

本年も何卒よろしくお願いいたします。

冬至も過ぎ寒さはまだまだこれからですが、それでも確実に春は近づいてきます。

「冬来たりなば春遠からじ」ですね。

ところで、この言葉、出典はどこかご存知でしょうか。

中国の漢詩などから来ているような感じもしますが、

実はこれ、イギリスの詩人パーシー・ビッシュ・シェリー(1792-1822)の

長詩『西風の賦』(または『西風に寄せる歌』(Ode to the West Wind, 1819) )の

末句 “If Winter comes, can Spring be far behind?” から来ているのだそうです。

(ちなみにこのパーシー・ビッシュ・シェリーの妻は、

『フランケンシュタイン』の作者として有名なメアリー(・ウルストンクラフト・ゴドウィン)・シェリー(1797-1851)です)。

何かと体調管理も大変な季節ですが、辛い冬を越えれば必ず春は来ます。

私たちも春に芽吹くよう新たな種を育てるべく、今の目の前の課題に粛々と取り組んでいきたいと思います。

あ、先日私の叔父が風呂場でのヒートショックで亡くなりましたが、お風呂に出入りする際にもくれぐれもお気をつけください。