全日本製造業コマ大戦

こんばんは、スタッフのUです。

ふとしたことがきっかけで表題のイベントを知りました(「対戦」ではなく「大戦」です)。

私と同世代かそれより年上(50代以上)の方々は、子どものころにコマやベーゴマで、どちらがより強いかどちらがより長く回し続けることができるかを競い合ったことがある方もいらっしゃると思いますが、それをもっと本気にしたもののようです。

「全日本製造業コマ大戦」のホームページ

中小の製造業が各社の技術の粋を尽くしたコマを製作して持ち寄り、中央部が若干凹んだ土俵上でその強さや持久性を競い合うというのがイベントの趣旨です。

もちろんどんなコマでもよいわけではなく、サイズに関しても規定がありますし、勝敗に関しても細かくルールが定められています。

「全日本製造業コマ大戦」のルール

他のコマとぶつかったときの強さを追求するなら低重心で重量感があるものを作ることになりますし、回転時間を長くしようとすれば軽量化を目指すことになるでしょう。そこに各参加企業の知恵が絞られるわけですが、中には設置部分(軸)と胴体部分を分割しそのあいだにベアリングを入れ摩擦を減らすことで回転時間を長くしようとするもの(ベアリング型)や、回転している間に胴体部分が外に開くなどのように変形し、衝突などの攻防戦に強くしたもの(変形型)や、軸の先端を尖らせることで土俵斜面の一点に突き刺さり他のコマとの衝突をできるだけ回避するもの(一点回転型)など、色々な種類が出てくるようです。しかし、変形型の場合、回転後の静止状態が回転前の形状に戻っていない場合1敗となりますし(ルール5−5)、一点回転型の場合、土俵斜面の一点に突き刺さることだけに特化して製作されますので、突き刺さりそびれて土俵真ん中の凹部に入ってしまうと他ゴマにあっけなく負けることになります。

「大戦」の様子に興味が出てきた方はぜひ以下の公式YouTubeチャンネルをご覧ください。

全日本製造業コマ大戦公式YouTubeチャンネル

NHKで『魔改造の夜』という番組でも出場者の方々が口々に言っているように、開発というものには「遊び心」や「チャレンジ精神」が大切ですね。私たちもチャレンジ精神をもって開発に取り組んでいきたいと思います。

トランスアメリカ・フットレース

こんばんは、スタッフのUです。

タイトルは、1992年から1995年にアメリカで行われた、64日間かけて西海岸のロサンゼルスから東海岸のニューヨークまでの約4700kmを走って横断するという、いわゆる「ウルトラマラソン(42.195kmより長い距離を走るマラソン)」のひとつです。ランナーは毎日決められた区間を走り、最終的にはその積算タイムによってランキングが決められます。30年近く前にNHKでこのレースのドキュメンタリー番組を見た記憶があります。

私がこのレースのことを思い出したのは、先日このニュースに触れたためです。

フォークシンガー、高石ともやさん死去 82歳 「受験生ブルース」 | 毎日新聞

実は高石ともやさんはこの「トランスアメリカ・フットレース」の完走者なのです(高石さんが参加したのは1993年)。マラソンやトライアスロンにも頻繁に参加し市民ランナーとしても知られた高石さんですが、このレースのときは51歳。タフな方ですね。

ちなみにこの北米大陸横断のウルトラマラソンですが、初めて開催されたのは1928年(その時の大会名は「インターナショナル・トランスコンチネンタル・フットレース」。1929年にも開催されましたが、その後は上記の1992年まで開催されず)。元々はフランスの自転車レース「ツール・ド・フランス」(今年もパリ・オリンピックの直前まで開催されていましたね)のランニング版をアメリカでできないかと、興行主のチャールズ・C. パイルが開催したものだそうです。アメリカン・フットボールのリーグ化などを果たしたパイルが仕掛けただけに、単なるレースとしてだけでなく、興行としてもよくできたものだったようです。ランナーは毎晩、その日のゴール地点に設置された専用のテント村に宿泊しますが、テント横ではツアーに同行した芸人などによるショーが繰り広げられ、近隣住民を招くことで入場収入を得、またイベントの協賛企業を募って広告収入も得ていたとのこと。

しかし、64日間で4700kmということは1日平均約73km。考えただけで目もくらみそうですが、マラソンでも仕事でも一歩一歩前に進んでいけば必ずゴールには辿り着くはずですので、目の前のことにコツコツと丁寧に取り組んでいくことが大切ですね。

ラ・マルセイエーズ

こんばんは。スタッフのUです。

いまフランスではパリ・オリンピックの真っ最中ですね。

各競技はもちろん、首を斬られたマリー・アントワネットが登場するという、開会セレモニーでの衝撃的な演出も話題になっています。晴れの開会セレモニーでの残酷な演出に対して戸惑う気持ちもわかりますが、それを言いだすと、開催国フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)」の歌詞もかなりインパクトは強いです。

冒頭のメロディーはザ・ビートルズの「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」のイントロでも使われています。歌は7番までありますが、リフレイン(ルフラン)の部分の歌詞を書いてみると以下のようになります。

Aux armes, citoyens,
Formez vos bataillons,
Marchons, marchons !
Qu’un sang impur
Abreuve nos sillons !

市民たちよ、武器を取れ
隊列を組織せよ
進もう 進もう!
不純な血が
我らの田畑の畝を濡らすまで!

(諸々参考にしつつ、辞書を引きつつの拙訳)

なんとも過激な歌詞ですね…。しかし、元々がフランス革命の際に生まれた革命歌であることを考えるとさもありなんという気もします。時代状況により、国歌として歌うことを禁止されたことも何度かあったようですし、過去には「これが国歌でいいのか?」という議論もあったようですが、現在はこれがフランス国歌として定着しています。

何事も表面だけでなく、その背景を知ることはとても大事ですね。私たちも病気の表面的な症状だけでなく、そのさらに奥まで視点を行き届かせていくための力になっていきたいと思っています。

水辺の事故にご注意

こんばんは、スタッフのUです。

今年も猛暑が続いておりますが、皆さん体調を崩されたりしていないでしょうか。

これだけ暑いと海や川などの水辺に行きたくなる方もいらっしゃるかと思いますが、水辺で遊ぶ際にはくれぐれもお気をつけください。

たとえば去年2023年には、1,392件の水辺の事故が起こり、そのうち743名の方が死亡あるいは行方不明となっています(「警察庁生活安全局生活安全企画課」の発表)。

私の従兄も、18年前の夏に海で溺れて亡くなりました。原因ははっきりとはわかりませんが、朝早くから友だちとボートで海に出てそのボートから海に入るなりそのまま沈んでいってしまったということですので、水の冷たさで心臓発作を起こしたのではないかと推察しています。

海だけで考えても気を付けるべきポイントはいくつもあります。水深が突然深くなったところにはまり溺れたり、離岸流に巻き込まれ流されたり、クラゲなどに刺されてパニックになったり。

「指定された場所以外では遊ばない」とか「基本的に一人では泳がない」とか「溺れかけたときには暴れず静かに体を水に浮かべる」とか「離岸流に巻き込まれたときは、流れに平行に泳いで岸に戻ろうとするのでなく、流れに垂直に泳ぐ」とか「溺れている人がいても自力で助けようとせず、溺れている人がしがみつけるような何かを投げる」とか、色々なサイトで対策は示されていますが、いざその状況になってみると冷静な行動はなかなか難しいのではないかと思います。

ですので、ライフ・ジャケットや浮き輪など、まずは装備を万全にして、上記のような注意点を頭の片隅に留めながら、水辺の遊びを楽しんでいただきたいと思います。

以下のような海上保安庁によるページもありますので、ぜひご参照ください。

海の安全情報|海上保安庁

何事も備えあれば憂いなし。私たちも、皆さんに健康な生活を送っていただくための「備え」の一つになれればと思っております。

割合

こんばんは、スタッフのUです。

私は某所で、主に大人の方に算数・数学の個別指導をしていますが、そこに初めて来られる方の悩みで圧倒的に多いのが「割合がわからない」というものです。

そこで算数の教科書を開いてみると、そこには「もとにする量」と「比べられる量」と「割合」の関係が書かれており、「割合がわからない場合」、「比べられる量がわからない場合」、「もとにする量がわからない場合」のそれぞれの求め方が線分図などを使って書かれています。このやり方で理解できる方はそれでいいですが、多くの方は「どれが『もとにする量』で、どれが『比べられる量』だ?」と混乱してしまうのではないかと思います。

そこで私は以下のように説明するようにしています。

まず

「割合とは、二つの量を比べて、一方がもう一方の何倍かを表したもの」

です。

たとえば、6と2を比べて6が2の何倍かを表したもの(この例の場合は「3倍」)が割合ということになります。

ですので、この例でもわかるように、割合に関わる文は(詳細の表現は様々ですが)単純化すると必ず

「Aは(が)BのC倍」(Cの数字が分数の場合は「倍」の文字が省略される場合があります)

という形になります。

この文の「は(が)」を「=」に、「の」を「×」に書き直すと、

「A=B×C」

という数式になります。

上の具体例で言えば、「6は2の3倍」という文の、「は」を「=」に、「の」を「×」に書き換えることで、「6=2×3」という数式になります。

この具体例ではあまりピンと来ないかも知れませんが、この知恵を使って「3は12の何倍か」のように、割合(何倍か)を求める問題を考えてみます。この問題を生徒さんに出してみると、かなりの頻度で「4倍」という答えが返ってきます。問題の中の大きい数字(12)を小さい数(3)で割ったわけです。私たちが初めて割り算を習ったときに当たり前だった、「大きな数を小さな数で割る」という刷り込みの根強さを感じます。しかし、これは元の文に当てはめてみるとすぐおかしいことに気づきますね。「3は12の4倍」というのは明らかにおかしいです。

ここでさっきの知恵を使います。「3は12の◯倍」という文の、「は」を「=」に、「の」を「×」に書き換えると、「3=12×◯」という数式になります。

ここで、◯の数字を求める求め方がわからなくなる方もいらっしゃいますが、何事も「わからなくなったら基本にかえる」ことが大切です。

この式と同じ形の、「6=2×3」という式で、3の部分がわからない場合、つまり「6=2×◯」という虫食い状態の式のとき、残りの6と2という数から◯に当てはまる3をどう計算するかを考えてみると、「=」の前の「6」を、「×」の前の「2」で割ればよいことがわかると思います。

それならば先ほどの「3=12×◯」で◯を求める場合も同様に、「=」の前の「3」を、「×」の前の「12」で割ればよいのですから、◯の値は0.25(分数だと1/4)だとわかります。こう考えれば、どれが「もとにする量」,「比べられる量」かを意識せずに割合について考えることができます。

様々な教科書は、学問としての正確さ(誤解の余地の無さ)を期して書かれますので、用語はかえってわかりづらくなりがちですが、理解のためにはときに自分なりの言葉で捉え直すことも必要ですね。これだけ新しい科学技術が発展してくると、用語を表面的に追うだけでなく、ちゃんと自分なりに消化して自家薬籠中のものにしていくことが大切だなと、常日頃の業務で痛感いたします。