こんばんは、スタッフのUです。
朝の冷え込みがぐっと厳しくなってまいりました。皆さん、風邪など引かれないようくれぐれもご自愛ください。
さて、前回のブログ(「2024」)で「倍数判定法」について軽く触れました。ある整数に対して実際に割り算をしてみなくても、その数が2や11などの整数で割り切れるかどうか(2や11の倍数かどうか)がわかる方法がある、というものでした。
たとえば、
元の数の「下1桁が0か2の倍数」(つまり一の位が0,2,4,6,8のいずれか)であれば、元の数は必ず2の倍数ですし、
「一の位から数えて奇数番目の位(一の位、百の位、一万の位、百万の位…)の和と、偶数番目の位(十の位、千の位、十万の位、千万の位…)の和を求め、その差が0か11の倍数」であれば、元の数は必ず11の倍数です。
さて、なぜこういうことが言えるのか。今回はその種明かしです。「5324」という整数を例にとって考えてみましょう。
まずはなつかしの「位取り」の話から。
5324という数は千の位が5、百の位が3、十の位が2、一の位が4、つまり1000が5個と100が3個と10が2個と1が1個でできた数なので、5324は「1000×5+100×3+10×2+1×4」と表すことができます。さらに言えば、5324は10が532個と1が4個でできた数なので、「10×532+1×4」と表すこともできます。ここで、10は2の倍数(2×5)なので、先ほどの式は「2×5×532+1×4」と書き直すことができますね。この「2×5×532」の部分は2の倍数なので、残りの「1×4」の部分、つまり1の位の数字が2の倍数(あるいは0)でさえあれば、元の数の5324が2の倍数であると言えるわけです。これは九九の2の段に出てくる積の1の位を見ても感覚的に掴みやすいところだと思います。
さて、では11の倍数判定法はどうでしょう。こちらも先ほどの位取りを使って考えてみます。
1000は実は11の倍数の1001より1小さい数で(1000=1001-1=11×91ー1)
100は11の倍数の99より1大きい数で(100=99+1=11×9+1)
10は11の倍数の11より1小さい数(10=11-1)なので、
5324は次のように書き表すことができます。
5324=1000×5+100×3+10×2+1×4=(11×91-1)×5+(11×9+1)×3+(11-1)×2+1×4
これを分配法則を使ってかっこを展開して整理すると、
5324=11×91×5-1×5+11×9×3+1×3+11×2-1×2+1×4
=11×(91×5+9×3+2)-1×5+1×3-1×2+1×4
=11×(91×5+9×3+2)+{(3+4)-(5+2)}
となります。上の式の下線を引いた部分は11の倍数なので、{(3+4)-(5+2)}の部分、つまり、「一の位から数えて奇数番目の位の和(3+4)と、偶数番目の位の和(5+2)を求め、その差が0か11の倍数」であれば、元の数が11の倍数であると言えます。
だいぶ長くなってしまいましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
書くと結構な長さになってしまいますが、話しながらなら実は簡単に説明できます。
皆さんにお仕事のご依頼をいただいた際にも、簡潔かつ明瞭な話を心がけております。