神曲

こんばんは、スタッフのUです。

先日、某大手書店に行ったときのことですが、文庫本のコーナーで本を物色していると、近くにいた学生とおぼしき二人が文学作品について語り合っていました。

最近の作家の名前が出てくることはほとんどなく、シェイクスピアだゲーテだカミュだドストエフスキーだプルーストだとなかなかに硬派な名前が相次いで出てきて、

「今どきの子たちでもそんな作品を読むんだなぁ」

といたく感心しておりましたら、そのうちの一人の子が

「ほら、ダンテの『かみきょく』とかさ」

と。

やはり今どきの子でした、読み方が(ダンテの作品の邦題の読み方は「しんきょく」ですね)。

いや、これがダメだと言いたいわけではないです。読み間違いは誰しもよくやりますよね。ただ、知識をアップデートしていく際には、日常の思い込みの罠にはまらないよう常々気をつけておかねばならないな、と身が引き締まるおもいがしたという話でした。

倍数判定法、ふたたび(解答編)

こんばんは、スタッフのUです。

今回は先週お出しした問題の解答編です。

問題はこうでした。

「各桁が1と2だけでできている6桁の整数(たとえば121212や212212など)があります。この数が64の倍数であるとき、その数を求めなさい。」

ヒントとして「2nの(nは自然数)で表される整数の倍数判定法」「下n桁が000…0(0がn個)か2nの倍数」であることを示していました。

64は26ですので、2,4(=22),8(=23),16(=24),32(=25)の倍数です。

「2の倍数」ということは「下1桁が0か2の倍数」なので、下1桁は「2」です。

「4の倍数」ということは「下2桁が00か4の倍数」で、下1桁は「2」と確定していますので、下2桁は「12」とわかります(22では4の倍数になりません)。

「8の倍数」でもあるということは「下3桁が000か8の倍数」で、下2桁が「12」と確定していますので、下3桁は「112」とわかります(212では8の倍数になりません)。

以下同様に、下の位から順に数字を確定させていきます。

「16の倍数」でもあるということは「下4桁が0000か16の倍数」で、下3桁が「112」と確定していますので、下4桁は「2112」(1112では16の倍数になりません)、

「32の倍数」でもあるということは「下5桁が00000か32の倍数」で、下4桁が「2112」と確定していますので、下5桁は「22112」(12112では32の倍数になりません)とわかります。

下5桁が「22112」と確定していますので、64の倍数であるこの6桁の整数は「122112」(222112では64の倍数になりません)と1通りに確定できます。

いかがだったでしょうか?

基礎の積み上げで思わぬ難題にまで手が届くケースがありますね。基礎というのは決して「簡単なこと」ではなく、「一番の土台になるもの」です。私たちも基礎をしっかり積み上げていくことで、医療の問題に取り組んでいきたいと思っています。

倍数判定法、ふたたび

こんばんは、スタッフのUです。

1月17日のブログで、倍数判定法の話をしましたが、せっかくなので今回はその続きです。

そのブログの中で、ある整数が「2の倍数」であるためには、「下1桁が0か2の倍数」(つまり一の位が0,2,4,6,8のいずれか)であればよいと書きました。

例えば5368という整数は、5360+8というふうに、「下1桁の部分」と「下1桁の数を除いた部分」に分けることができ、「下1桁の数を除いた部分」は5360=10×536のように必ず10の倍数になっているので、つまり2の倍数でもあります(10=2×5で、10は2の倍数なので、10の倍数は2の倍数でもあります)。よって、あとは下1桁が0か2の倍数でありさえすれば、元の整数は2の倍数だと言えるわけです。

これと同様に、「4の倍数」であるためには、「下2桁が00か4の倍数」であればよいことになります。

先ほどの5368で言えば、5368=5300+68というふうに、「下2桁の部分」と「下2桁の数を除いた部分」に分けることができ、「下2桁の数を除いた部分」は5300=100×53のように必ず100の倍数になっているので、つまり4の倍数でもあります(100=4×25で、100は4の倍数なので、100の倍数は4の倍数でもあります)。よって、あとは下2桁が00か4の倍数でさえあれば、元の整数は4の倍数だと言えるわけです。

この考え方を進めていきますと、2n(2のn乗(nは自然数))で表される整数の倍数判定法について次のようになります。

「8の倍数判定法」…「下3桁が000か8の倍数」

「16の倍数判定法」…「下4桁が0000か16の倍数」

「32の倍数判定法」…「下5桁が00000か32の倍数」

これを一般化するとこうなります。

「2nの倍数判定法」…「下n桁が000…0(0がn個)か2nの倍数」

証明は今までの説明とまったく同様にできます。

さて、それでは今回は最後に、上記の内容を踏まえて次のような問題を出しますので、よければ次回まで考えてみてください。

「各桁が1と2だけでできている6桁の整数(たとえば121212や212212など)があります。この数が64の倍数であるとき、その数を求めなさい。」

ちなみに答えは一つしかありません。

解答は次回に。

節分

こんばんは、スタッフのUです。

「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」などと言いますが、あっという間に一月が終わろうとしています。

そして二月になると間もなく節分ですね。節分は元々、各季節の始まりの日である立春・立夏・立秋・立冬の前日を指したそうで、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると信じられていたため宮中で祓いの行事が行われていたそうです。

確かに季節の変わり目には体調を崩す人が増えますよね。私もここしばらく体調がいまひとつ良くありません。皆さんも節分を境に気持ちよく春を迎えられますように。梅の花も蕾を見せ始めています。春はもうすぐそこです。

2024(つづき)

こんばんは、スタッフのUです。

朝の冷え込みがぐっと厳しくなってまいりました。皆さん、風邪など引かれないようくれぐれもご自愛ください。

さて、前回のブログ(「2024」)で「倍数判定法」について軽く触れました。ある整数に対して実際に割り算をしてみなくても、その数が2や11などの整数で割り切れるかどうか(2や11の倍数かどうか)がわかる方法がある、というものでした。

たとえば、

元の数の「下1桁が0か2の倍数」(つまり一の位が0,2,4,6,8のいずれか)であれば、元の数は必ず2の倍数ですし、

「一の位から数えて奇数番目の位(一の位、百の位、一万の位、百万の位…)の和と、偶数番目の位(十の位、千の位、十万の位、千万の位…)の和を求め、その差が0か11の倍数」であれば、元の数は必ず11の倍数です。

さて、なぜこういうことが言えるのか。今回はその種明かしです。「5324」という整数を例にとって考えてみましょう。

まずはなつかしの「位取り」の話から。

5324という数は千の位が5、百の位が3、十の位が2、一の位が4、つまり1000が5個と100が3個と10が2個と1が1個でできた数なので、5324は「1000×5+100×3+10×2+1×4」と表すことができます。さらに言えば、5324は10が532個と1が4個でできた数なので、「10×532+1×4」と表すこともできます。ここで、10は2の倍数(2×5)なので、先ほどの式は「2×5×532+1×4」と書き直すことができますね。この「2×5×532」の部分は2の倍数なので、残りの「1×4」の部分、つまり1の位の数字が2の倍数(あるいは0)でさえあれば、元の数の5324が2の倍数であると言えるわけです。これは九九の2の段に出てくる積の1の位を見ても感覚的に掴みやすいところだと思います。

さて、では11の倍数判定法はどうでしょう。こちらも先ほどの位取りを使って考えてみます。

1000は実は11の倍数の1001より1小さい数で(1000=1001-1=11×91ー1)

100は11の倍数の99より1大きい数で(100=99+1=11×9+1)

10は11の倍数の11より1小さい数(10=11-1)なので、

5324は次のように書き表すことができます。

5324=1000×5+100×3+10×2+1×4=(11×91-1)×5+(11×9+1)×3+(11-1)×2+1×4

これを分配法則を使ってかっこを展開して整理すると、

532411×91×5-1×511×9×3+1×311×2-1×2+1×4

  =11×(91×5+9×3+2)-1×5+1×3-1×2+1×4

  =11×(91×5+9×3+2)+{(34)-(52)}

となります。上の式の下線を引いた部分は11の倍数なので、{(34)-(52)}の部分、つまり、「一の位から数えて奇数番目の位の和34と、偶数番目の位の和52を求め、その差が0か11の倍数」であれば、元の数が11の倍数であると言えます。

だいぶ長くなってしまいましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

書くと結構な長さになってしまいますが、話しながらなら実は簡単に説明できます。

皆さんにお仕事のご依頼をいただいた際にも、簡潔かつ明瞭な話を心がけております。