ねこぷー 第1回「個体差」

こんばんは、スタッフのUです。

皆さん、きっと「『ねこぷー』ってなんやねん」とお思いのことでしょう。

私の家に現れるキジトラ模様の地域ネコに、私たち夫婦が勝手につけた名前です。

ねこぷーがうちの庭に姿を見せ始めたのは5年前の春。

うちの庭に地域ネコが姿を見せることはそれまでも何度もありましたが、どのネコも私が玄関の扉を開けるとその音を聞くや飛び去って、「姿を見せる」といっても大抵はその逃げ去る後ろ姿を見るのみでした。

それが5年前、扉を開けても庭の真ん中でまったく動じず伏せたまま、なんなら私に対して「誰だ、お前?」と言わんがばかりの表情で毅然と見つめ返してくるネコが現れました。それがねこぷーです。それ以降、何度もうちの庭に姿を見せるようになり、ササミや小魚の煮干しを遠くから投げ与えたりしているうちに本当に少しずつ少ーーーしずつ(実感としては年に10cmぐらいの速さで)距離を縮めていき、あるときを境に(この経緯の説明には「せきね」というサブキャラクターの存在が不可欠ですが、それはまた追々)一気に距離が縮まり、最近は家の中にまで入ってくるようになり、今やこのありさま。

ねこぷーに出会って間もないころに、インターネットで調べた限りでは「キジトラはネコの原種に近く警戒心も強いため、飼い主にさえ懐かないことがある」という風に書かれていた(気がした)ので、「ずっとこの、触れることもないぐらいの距離感でいくのかな」と思っていたのですが。そして「ネコはお腹側を触られるのが大嫌い」という記事も見た気がするのですが…。

ネットの記事なんて大半は真に受けちゃダメですね。それに生き物ですもの、個体差はありますよね。私たちも、統計学を活用して全体の大きな傾向を捉えつつ、常に個は個として見ていく姿勢(そしてそのための能力)は大切にしていきたいと思います。

(タイトルにある「第1回」という強気な言葉どおり、この「ねこぷー」の記事はシリーズ化するかも知れません)

平成7年

こんばんは、スタッフのUです。

タイトルの平成7年(1995年)ですが、皆さんはこの年号を聞いて何か思い出すでしょうか。

私は大学を卒業して初めて就職したのがこの年で、その会社の中で「平成7年入社の社員」である私たちは「07(ゼロナナ)」と呼ばれていたため、この年号が記憶に強く残っているのですが、この年は実は大変な年でした。

1月17日には阪神淡路大震災があり、3月20日にはあの地下鉄サリン事件があったあの年です。

その地下鉄サリン事件の約10日後、幕張で行われる入社式のために私は東京に出たのですが、駅のゴミ箱というゴミ箱が蓋をされて使用できない状態になっており、あちらもこちらもなんとも物々しい空気だったことをありありと記憶しています。

この時期になるとどうしても思い出してしまう事件ですが、もうあれから29年も経つのですね。「そりゃ歳もとるわな」とうんざりもしますが、歳をとった者はそういった話や、歳を重ねて得た知恵を、次の世代に伝えて継いで行かなきゃならないな、と仕事の中でも常々思います。

現在活動中のプロジェクトのご紹介

当法人代表の山本一道が参加した論文がESC Heart Failure誌に掲載されました。

愛媛大学循環器内科との共同研究で、NT-proBNPという心不全の診断に用いられる血清検査の、一般住民における値の予測モデルを開発した論文で、NT-proBNPの予測モデルとしては世界で初のものとなります。

A prediction model for estimating NT-proBNP in a general Japanese population: the Toon Health Study

このモデルを用いて算出した値から5年後の心不全の発症を予測する新しい診断法も提案しており心不全治療に対して貢献することが期待されます。

「日本の古本屋」

こんばんは、スタッフのUです。

私は本を読むのはとても遅いのですが、本という「もの」自体が好きでよく買っています。

しかし、昨今の出版不況もあってか、ほんの数年前に出たばかりの本もすぐに絶版になっているケースが随分と増えました。メルカリなどのサイトではその絶版の状況に乗じてとんでもない高値で売りに出している人もいますし(Amazonでも、とても古書店とは思えぬアカウントが、同様に高値で出品しているのが目立ちます)、最近ではブックオフオンラインでも古本の値段が上がってきており、欲しいと思った本が手軽に手に入らないことも増えてきました。

そこで私がよく使っているのが、タイトルに掲げた「日本の古本屋」というサイトです。

日本の古本屋

もちろんなんでも見つかるわけではありませんし、メルカリなどと違い、本の写真が載っていないケースも多いので、買う際に不安がないわけではありませんが、この時代に古本屋を経営しながら紙の本の文化を維持しようとする方々を応援する意味でも、私はこのサイトをよく使っています(あ、表示されている金額に送料が含まれていないケースもありますのでご注意ください)。

皆さんもよろしければぜひご活用ください。

新しいものももちろん大切ですが、長い歴史を経て積み上げられてきた古いものから知恵を得る努力も大事にしたいものですね。

嗚呼、古本屋に事欠かない東京の人がうらやましい…(筆者は兵庫県在住です)。

ウディ・アレン『アニー・ホール』

こんばんは、スタッフのUです。

最近、腰を落ち着けて本を読んだりできないときなどに、サブスクで映画を観ることが増えました。先日観たのは、ウディ・アレン監督・主演の『アニー・ホール』(1977年)。

ウディ・アレンの作品を観るのは今回が初めてだったのですが、アルビー・シンガー(ウディ・アレン)がカメラに向けて話しかけたり、登場人物の心の声が観客に聞こえてきたり、別々の場所での二人の行動が画面割りで同時に提示されたりなど、今となっては却って新鮮に見える手法が散りばめられていて、それなりに楽しく観られました。英語がわかって、そしてアメリカ文化(あるいは少なくとも、いわゆるアメリカン・ジョーク)に精通していれば、もっと楽しめたのだろうなとは思いますが。

映画をそんなに観たことがあるわけではない私にとっても、クリストファー・ウォーケン(『ディア・ハンター』でロシアン・ルーレットにはまりこんでいくニック役の俳優)は出てくるわ、シェリー・デュバル(『シャイニング』のジャック(ジャック・ニコルソン)のパートナーのウェンディー役の俳優)は出てくるわ、ポール・サイモン(あのサイモン&ガーファンクルのポール・サイモンです)は出てくるわ、本筋とは関係無いところでも色々と楽しめました(クリストファー・ウォーケンのドライブのシーンは声を出して笑ってしまいました)。

映画を観た本数がとても少ないので、いわゆる「シネフィル」的な楽しみ方は到底できる気がしませんが、それでも少しずつでも知っていくと、色々なところが繋がってきて楽しみ方が増えていきそうです。

医療や学問の世界でも、知識として完璧にパッケージ化されたものなんてあり得ませんし、未知の領域を切り開いていくのがその宿命であり、面白みでもあるのだろうと思います。色々な方向性をもって掘り進めていくうちに、思わぬところがふと繋がったりする(いわゆるセレンディピティってそういうものかという気がします)。その「ふと」に繋がるべく、今後もいま進めている事業をしっかり掘り進めていきたいと思います。