倍数判定法、ふたたび

こんばんは、スタッフのUです。

1月17日のブログで、倍数判定法の話をしましたが、せっかくなので今回はその続きです。

そのブログの中で、ある整数が「2の倍数」であるためには、「下1桁が0か2の倍数」(つまり一の位が0,2,4,6,8のいずれか)であればよいと書きました。

例えば5368という整数は、5360+8というふうに、「下1桁の部分」と「下1桁の数を除いた部分」に分けることができ、「下1桁の数を除いた部分」は5360=10×536のように必ず10の倍数になっているので、つまり2の倍数でもあります(10=2×5で、10は2の倍数なので、10の倍数は2の倍数でもあります)。よって、あとは下1桁が0か2の倍数でありさえすれば、元の整数は2の倍数だと言えるわけです。

これと同様に、「4の倍数」であるためには、「下2桁が00か4の倍数」であればよいことになります。

先ほどの5368で言えば、5368=5300+68というふうに、「下2桁の部分」と「下2桁の数を除いた部分」に分けることができ、「下2桁の数を除いた部分」は5300=100×53のように必ず100の倍数になっているので、つまり4の倍数でもあります(100=4×25で、100は4の倍数なので、100の倍数は4の倍数でもあります)。よって、あとは下2桁が00か4の倍数でさえあれば、元の整数は4の倍数だと言えるわけです。

この考え方を進めていきますと、2n(2のn乗(nは自然数))で表される整数の倍数判定法について次のようになります。

「8の倍数判定法」…「下3桁が000か8の倍数」

「16の倍数判定法」…「下4桁が0000か16の倍数」

「32の倍数判定法」…「下5桁が00000か32の倍数」

これを一般化するとこうなります。

「2nの倍数判定法」…「下n桁が000…0(0がn個)か2nの倍数」

証明は今までの説明とまったく同様にできます。

さて、それでは今回は最後に、上記の内容を踏まえて次のような問題を出しますので、よければ次回まで考えてみてください。

「各桁が1と2だけでできている6桁の整数(たとえば121212や212212など)があります。この数が64の倍数であるとき、その数を求めなさい。」

ちなみに答えは一つしかありません。

解答は次回に。

節分

こんばんは、スタッフのUです。

「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」などと言いますが、あっという間に一月が終わろうとしています。

そして二月になると間もなく節分ですね。節分は元々、各季節の始まりの日である立春・立夏・立秋・立冬の前日を指したそうで、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると信じられていたため宮中で祓いの行事が行われていたそうです。

確かに季節の変わり目には体調を崩す人が増えますよね。私もここしばらく体調がいまひとつ良くありません。皆さんも節分を境に気持ちよく春を迎えられますように。梅の花も蕾を見せ始めています。春はもうすぐそこです。

2024(つづき)

こんばんは、スタッフのUです。

朝の冷え込みがぐっと厳しくなってまいりました。皆さん、風邪など引かれないようくれぐれもご自愛ください。

さて、前回のブログ(「2024」)で「倍数判定法」について軽く触れました。ある整数に対して実際に割り算をしてみなくても、その数が2や11などの整数で割り切れるかどうか(2や11の倍数かどうか)がわかる方法がある、というものでした。

たとえば、

元の数の「下1桁が0か2の倍数」(つまり一の位が0,2,4,6,8のいずれか)であれば、元の数は必ず2の倍数ですし、

「一の位から数えて奇数番目の位(一の位、百の位、一万の位、百万の位…)の和と、偶数番目の位(十の位、千の位、十万の位、千万の位…)の和を求め、その差が0か11の倍数」であれば、元の数は必ず11の倍数です。

さて、なぜこういうことが言えるのか。今回はその種明かしです。「5324」という整数を例にとって考えてみましょう。

まずはなつかしの「位取り」の話から。

5324という数は千の位が5、百の位が3、十の位が2、一の位が4、つまり1000が5個と100が3個と10が2個と1が1個でできた数なので、5324は「1000×5+100×3+10×2+1×4」と表すことができます。さらに言えば、5324は10が532個と1が4個でできた数なので、「10×532+1×4」と表すこともできます。ここで、10は2の倍数(2×5)なので、先ほどの式は「2×5×532+1×4」と書き直すことができますね。この「2×5×532」の部分は2の倍数なので、残りの「1×4」の部分、つまり1の位の数字が2の倍数(あるいは0)でさえあれば、元の数の5324が2の倍数であると言えるわけです。これは九九の2の段に出てくる積の1の位を見ても感覚的に掴みやすいところだと思います。

さて、では11の倍数判定法はどうでしょう。こちらも先ほどの位取りを使って考えてみます。

1000は実は11の倍数の1001より1小さい数で(1000=1001-1=11×91ー1)

100は11の倍数の99より1大きい数で(100=99+1=11×9+1)

10は11の倍数の11より1小さい数(10=11-1)なので、

5324は次のように書き表すことができます。

5324=1000×5+100×3+10×2+1×4=(11×91-1)×5+(11×9+1)×3+(11-1)×2+1×4

これを分配法則を使ってかっこを展開して整理すると、

532411×91×5-1×511×9×3+1×311×2-1×2+1×4

  =11×(91×5+9×3+2)-1×5+1×3-1×2+1×4

  =11×(91×5+9×3+2)+{(34)-(52)}

となります。上の式の下線を引いた部分は11の倍数なので、{(34)-(52)}の部分、つまり、「一の位から数えて奇数番目の位の和34と、偶数番目の位の和52を求め、その差が0か11の倍数」であれば、元の数が11の倍数であると言えます。

だいぶ長くなってしまいましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

書くと結構な長さになってしまいますが、話しながらなら実は簡単に説明できます。

皆さんにお仕事のご依頼をいただいた際にも、簡潔かつ明瞭な話を心がけております。

2024

こんばんは、スタッフのUです。

明けましておめでとうございます。本年も気道疾患研究会をよろしくお願いいたします。

…と言いつつ、「おめでとう」と言うのも気が引けるような波乱の年明けとなりました。能登半島地震で被害に遭われた皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。

さて、明けて今年は2024年です。日本有数の進学校の灘中学では例年、入試の1日目の算数の1番の問題で、その年の西暦の年号と絡めた計算問題が出題されることが恒例化しております。今年はどんな問題が出題されるんでしょうね。

ある数字に関連した計算問題を作る場合、その数字を素因数分解(自然数を素数の積の形で表すこと)するところから作っていくことがありますが、2024は素因数分解すると、23×11×23となります。つまり、2024は2の倍数でもあり、11の倍数でもあり、23の倍数でもあるのですね。

その数がある整数の倍数かどうかを判定する「倍数判定法」というものがあります。

最も簡単なものは2の倍数判定法で、

「下1桁が0か2の倍数」(つまり一の位が0,2,4,6,8のいずれか)

であれば、元の数は必ず2の倍数です。

さっき、2024は11の倍数でもある、と書きましたが、実はこの11の倍数かどうかを判定する方法もあります。

「一の位から数えて奇数番目の位(一の位、百の位、一万の位、百万の位…)の和と、偶数番目の位(十の位、千の位、十万の位、千万の位…)の和を求め、その差が0か11の倍数」

であれば、元の数は11の倍数です。つまり2024であれば、一の位から数えて奇数番目の位(青文字の部分)の和が「4+0=4」、偶数番目の位(赤文字の部分)の和が「2+2=4」で、その差が「4-4=0」となるので、元の数(2024)は11で実際に割ってみるまでもなく、11の倍数であると言えるのです(11の倍数判定法は他にもあります)。

しかし、こういうことを丸暗記しているだけでは算数や数学の力はつきません。「なぜそうなるか」という理屈を理解することの方がずっと大事です。上記の2と11の倍数判定法、なぜそうなるのか、次回までに一度考えてみてください。

…とこうやってブログを書きつつも、ずっと能登半島地震のことが頭の中に浮かんできます。一日も早い復旧と、皆さんの心の傷が癒えていくことを願ってやみません。いま私にできることはせいぜい募金をすることぐらいですが、今はそうやって自分にできることをやっていくしかありませんね。

私たち「気道疾患研究会」も、皆さんのお役に立てるよう、できることを粛々と進めてまいります。

どうか皆さんにとって良い一年となりますように。

うるう年かどうかは、どうすればわかる?

こんばんは、スタッフのUです。

前回のブログで閏(うるう)年について少し触れました。閏年は1年が366日ある年で(2月が29日になるのですね)4年に1回おとずれます。これは、地球が太陽の回りを一周するのに約365.242日かかる影響で4年で1日弱のズレが生じてきてしまうので、それを調整するため、西暦の年号が4の倍数の年が閏年になっています。ここまではきっとほとんどの皆さんがご存知かと思います。しかし、先ほど「1日弱」と書いたように、それでもなお微妙な誤差が残り続けます。そこでグレゴリオ暦では、閏年は実は次のようになっています。

(1) 西暦の年号が4の倍数の場合は閏年

(2) ((1)の例外として)西暦の年号が100の倍数で、400の倍数でない場合は平年

つまり、23年前の「2000年」は100の倍数であり400の倍数でもあるので「閏年」、77年後の「2100年」は100の倍数ですが400の倍数ではないので「平年」ということになります。

ちょっとややこしいですね。では、次のように書き換えてみましょう。

(1′) (下2桁が00でない場合)西暦の年号が4の倍数の場合は閏年

(2′) (下2桁が00の場合)下2桁の「00」を除いた部分が4の倍数なら閏年、4の倍数でなければ平年(上の例だと、2000年の下2桁を除いた「20」は4の倍数なので閏年、2100年の下2桁を除いた「21」は4の倍数ではないので平年、ということになります)

人体も含めた自然現象には様々な誤差がつきものですので、細やかな観察とその誤差への適切な処理が必要です。当法人でも各種データを扱っていますが、常に医療および統計学の知識をアップデートさせ続けていくことを心がけております。

さて、今年のブログは今回で最後です。

皆さま、よい年越しをお過ごしください。そして、来年も何卒よろしくお願いいたします。